ミー子

ぉぁああおうぅぅ

「初心を取り戻す」ために聴くもの

「初心を取り戻す」ために聴くのは、これとか。

ラヴェルマ・メール・ロア組曲管弦楽版から、第1曲「眠りの森の美女のパヴァーヌ

カルロ・マリア・ジュリーニバイエルン放送交響楽団

ジュリーニ指揮のこの曲は今までに、ロサンジェルス・フィルハーモニックとのものと、フィルハーモニア管弦楽団とのものを聴いた。記憶との比較になっちゃうけど、いずれもに共通する特徴があると思う。遅めのテンポで丁寧に、静寂を水準線とするようなひそやかさで、曲を正しく形にする。

 

これとか。

Egg "The Polite Force" から 'Contrasong'

ロックで最初にコンディミを使った曲が誰の何か知らない(それがジャズ由来なのかメシアン由来なのか、独自の獲得なのか)。これは1971年、かなり早い例じゃないのかな?

3'43" の和音3つの連鎖が、ドビュッシー「ヴァイオリンとピアノのソナタ」第2楽章の第14小節と第16小節のピアノ・パートを思い出させる。

これの 5'14":

演奏はシュロモ・ミンツ(vn)とイェフィム・ブロンフマン(pf)。この演奏家たちを聴くのは初めての筈。演奏内容についてここで評価はしません。譜面付きなので選びました。

 

これとか。

Japan "Tin Drum" から 'The Art Of Parties'

「2'25" のハンド・クラップは、サビ前のこの位置に入るのはここだけで、0'42" と 1'42" には入らない」ということと、「奇数拍目の3拍目だ」ということに、改めて気付く。

「3回のサビ入りを全部同じにしない、3回目に少しだけ音数を増やす」というのは正しい判断だとして、「2拍目」はブレイクで、ここに入れるのはあり得ないし、「4拍目」にしたら次の小節の2拍目と近過ぎる。

元来この曲のハンド・クラップは、サビの各小節の「2拍目」だけで、「4拍目」には打たれない。もしサビ前の4拍目に置かれたら、サビ第1小節2拍目のと連続し関連し、「偶数拍ごとに打たれるビート」みが出てしまう。

囲碁の布石みたいなものだろうか?

 

最近ツイッターで「たまにはこーゆーの聴いて初心🔰を取り戻さんと、、、」という文言をお見掛けした。

その方は音楽について、録音物について、オーディオについて、どマイナーどニッチに至るまで凡そご存じないことが無いような方で、直近では1966年のフリー・ジャズ界におけるヤキ・リーベツァイトとマニ・ノイマイヤーについて、あるいはチャールズ・ヘイワード参加盤のあれこれについて、ツイートなさってたような方。その方が「初心を取り戻す」ためとお挙げになってたのは Alternative TV "The Image Has Cracked" のアナログ盤だった。

私にとっての「初心を取り戻す」ために聴くものとは、造形の絶妙が象徴の力で彼方を指し示すようなものたち。私を音楽の奥義へと誘ったものたち。

で、思うに、「取り戻す」も何も、今の私も「初心」のままなのだった。