ミー子

ぉぁああおうぅぅ

カヴァー・ヴァージョン

'I Like Chopin' のタイトルがもし 'I Like Schumann' だったらヒットしてなそう。

小林麻美「雨音はショパンの調べ」の万全なつべが見つからない。ここに貼ったものも、音質が丸く、曲冒頭と末尾が切れてる。今記事で論ずる「サビのコーラスのヴォイシング」を聴くためには問題が無いので、これを貼る。)

ガゼボのオリジナル ver. を初めて聴いた。

サビのコーラスのヴォイシングが、2つの ver. で微妙に違う。

きや「すめはまや」く(小林 ver. の 1'06"、ガゼボ ver. の 1'08")の小節の。

小林 ver. では、このヴァージョンの調 G♯m のスケールに収まってる。

ガゼボ ver. では、いちばん上のパートが「c→h→a」と動いて、このヴァージョンの調 Dm のスケールに無い「h」が出て来るために、一瞬 Am に転調したみたいに聴こえる。

 

Pink Floyd 'Flaming'、Barrett 曲。

この、キーが E とも A ともつかない感が好き。E ミクソリデイアンを途中で A イオニアンに読み替える感じ。

すなわち、E で始まり、曲途中で「あれ? でもキーは A?」と思わせ、でも各コーラス終わり(0'30"、0'50"、1'10"、1'30")は E に終止し、1'30" からの間奏はこのまま E で、最後のコーラス終わり(2'31")だけ、前4回と違って A に終止し、そのまま曲終わりのキーは A。

 

ところが、この曲のライヴを何種類か聴くと、全てのコーラスが A に終止してる。1小節 A を入れたのちに E に戻る。

「E と A を行き来する」というより「A の曲が E から始まってる」感じになってる。

間奏は E。4コーラス目がいったんはっきりと A に終止してから、「ここから間奏」というふうにくっきりと区切られた E の間奏が始まる。私はオリジナルの、直前のコーラス終わりの E がそのまま間奏になだれ込む感、コーラス終わりの E がトリガーとなって間奏が呼び起こされる感、夢の世界が開かれる感、が好きなので、ここも残念。

最初に聴いたライヴが1968年のものだった、すなわち Barrett が抜けて Gilmour が Barrett のパートをやってるやつだったために、「新しい Pink Floyd による旧い Pink Floyd の「カヴァー」なために、こう解釈し直されてるのだな」と思った。

 

ところがところが、1967年09月25日のライヴがあるのを知った。

Barrett 入り。この時点で既に、以後のライヴと同様の変更が行われてることが判明した。

って、リリースもされてる音源なので、周知のもので、私が不勉強で知らなかっただけなのだけど。

何故この改変が行われたのか? 意図を測りかねる。

ことに、オリジナルでは、この各コーラス終わりの E が、オルガンの和音のクレシェンド、ディミヌエンドでことさらに強調されてるので、ここを E とすることにはそれなりに明確な意識があった筈なんだけど。美しいし。