数日前、ふと「小さい秋みつけた」の歌い出し「だれかさんが だれかさんが」と同じ音形「ミーミレドーレー|ミーミレドーレー」をイントロにもつ曲があった筈、と思った。Fred Frith 'Dancing In The Street' (ソロ・アルバム "Gravity" 所収)だと思ったけど、違った。
メドレーの前半3分間。
この曲には個人的に思い出がある。
ある先輩の方と歓談していて、どういう成り行きでだったか、私が 'Beautiful Sunday' という曲には作曲と呼べる内容が無い、これが何故ヒットするのか判らない、ということを申し上げた。
続いて、Fred Frith "Gravity" をお聴かせする運びになった。'Dancing In The Street' に差し掛かると、先輩が「これ 'Beautiful Sunday' に似てるじゃないかw」とご指摘になった。
たしかに!
ただし、この曲について主メロを論じてもしょうがない。曲の本体はむしろバックでずっと鳴ってるテープの音だし、主メロも、メロとしてではなく、エフェクト処理を聴くべきものだ。ピッチ・シフター?ハーモナイザー?的に、長6度下に平行に動く声部を伴い、ヴィブラートが掛かっている。
あの時以来、'Dancing In The Street' と 'Beautiful Sunday' は私の中で切り離しがたく結び付いていて、前者を聴くと必ず後者を思い出す。数日前、久しぶりにこの曲を聴いた時にも、件の先輩とのやり取りを思い出していた。
探しているのはこの曲じゃなかった。じゃあ何なんだろう?と、"Gravity" と、Art Bears "Hopes And Fears" を、ボートラ含めて全曲当たってみたが、見つけることが出来なかった。
以上が数日前のことである。今ふと思い当たった。「だれかさんが だれかさんが」と同じ音形のイントロをもつ曲、まさに、他ならぬ、'Beautiful Sunday' なんじゃないか?
ほらあ。
(イントロだけお聴き頂ければよいかと思います。)
Frith 関連に違いないと意識がロックオンされてた。「こだわりを捨てる」訓練はピグパズルで積んでた筈なのに。
Art Bears "Hopes And Fears" から1曲貼っておきます。
…と、ここまでは下書きのストック。
Frith の 'Dancing In The Street' がカヴァーなのを認識してなかった。今知った。
Marvin Gaye、William "Mickey" Stevenson、Ivy Jo Hunter の作で、Martha and the Vandellas による1964年のこれで最初に広く知られることになったものらしい。
やはり、Frith のヴァージョンは、メロ自体を問題にすべきものではなくて、その処理を聴くべきもの、ということになる。