西の空は暗い雲に覆われて、夕陽そのものは見えない。
それ以外の方角に、明るく輝く雲がある。
南の空。
北の空。
もう9月の後半に入ったというのに、背の高い積乱雲。
その同じ「積乱雲」のカテゴリーに属する雲が、西の、近めの距離にあると、陽を遮り、空を覆う。それ以外の、遠めの距離にあると、明るく輝く。
20分後。
積乱雲が空間内のあちこちに発生してる。
私はその空間内のこのポイントにいる。
陽射しがある方向から射している。
積乱雲は、わりと均等な分布で、どれも同じくらいの規模で、出来てるのだけど、私との、太陽との位置関係で、見える姿が劇的に変わるし、意味付けが真逆になる。
私と太陽とのあいだにあれば私を低く圧する「闇」、それ以外にあれば高みの「輝き」。
音楽を考えることは、光源を考えることではなく、それを私との間に挟まるファクターを考えること、なのではないか。
しかもパラメータとしてヴァリューをあれこれいじってみるのは、積乱雲そのものの規模ではなく、その位置だし、その位置というのも「空間座標での位置」ではなく「係わる者たちとの位置関係」だしその「時間的推移」だ。
私としては、全ての場合を試しつくすことへの情熱は無く、その都度「たまたま」出会う位置関係を新鮮に発見したいし、それを有難がりたい。
というわけで今日は撮れなかったけど、ふだんこういうのを撮ってる:
日没後の特定の数分間だけ撮れる色。「青」が出るのは大気の透明度が高い時で、もっと藤色がかってしまうことが殆ど。
撮りながらどうしても Fripp & Eno "Evening Star" のジャケが浮かんでる。